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夜会会場を、ふらつきながら歩き去っていく妻ローザの後ろ姿をみて、僕はため息をついた。
彼女のことだから、僕に追いかけて来てほしいと思っているはずだ。
(资料图)
新婚のころは、僕の愛を求める彼女を愛おしく思っていたが、結婚して三年目にもなると、もう少し落ち着いてほしいと思ってしまう。
正直、僕はいつまでもまとわりついてくる妻にうんざりしていた。
愚痴を聞いてくれていた友人が「おい、大丈夫か? 夫人に謝ったほうが……」と言っているが、僕は「大丈夫だよ」と笑って返した。
「ローザは、僕を愛しすぎているんだ。これで、少しは距離を取ってくれたらいいんだけどね」
このときの僕は、本気でそう思っていた。うっとうしいローザが、僕に付きまとうのをやめて、少しだけ大人になってくれればいい。
ただ、それだけで良かったんだ。
夜会会場からは友人の馬車を借りて屋敷に戻ってきた。いつもなら、僕が帰ってくるのをいつまでも待ち構えているローザも、さすがに今日は待っていなかった。
「奥様は、おやすみになられています」
その言葉をこの家に長く仕えるジョンから聞いた僕は、胸をなでおろした。
もしかしたら、ローザが「ひどいわ」と泣きながらすがってくるかも? と、思っていたからだ。
彼女に僕の本音を聞かれてしまったときは一瞬あせったが、今では『これで良かった』と思う。
「仕方がないから、明日になったらローザの機嫌をとるか」
彼女のことだから、僕に捨てられたらどうしようと心配しているだろう。ローザに謝るつもりはないが、「僕の妻は君だけだよ」とでも言ってあげれば、すぐに機嫌が直るはずだ。
僕は穏やかな気持ちで眠りについた。